満員御礼の長谷川健太監督(45)体制最後の公開練習だった。清水は天皇杯準決勝G大阪戦(29日=エコパ)に向け26日、前日の山形戦出場組は約1時間の軽めの調整を行った。選手たちの姿をひと目見ようと、三保グラウンドにはスタンドを埋め尽くす約500人以上のサポーターが集まった。

 長谷川監督や選手たちはサポーター1人1人にサインや写真撮影に快く応じた。30分以上かけてファンサービスを行った指揮官は「1年目はこんなにサインをすることはなかったけどね…。すごいよね」と、うれしい悲鳴を上げた。就任当初は練習見学するサポーターは数十人程度だっただけに、これだけ多くのサポーターに見守られていることにあらためて感謝した。

 エスパルスは母体企業を持たない市民クラブとして92年に発足し、18年の歴史を刻んできた。徹底したファンサービスは「このチームはサポーターあってのチーム。そういう歴史があることを忘れてはいけない」と、指揮官のポリシーでもある。同時に「元日の舞台への切符を取るために戦う」と、最大の責務も認識している。試合2日前となる今日27日からは非公開練習に切り替え、集中力を一気に高めていく。【為田聡史】