Jリーグは20日、今週末に迫ったリーグ再開(23日)を前に、試合中の一定程度の地震に対し、即座に試合を中断する決定を下した。これは、携帯電話による緊急地震速報発令を基準に、試合中に複数回の中断も予想される。少なくとも緊急地震速報で試合を中断するのはJリーグ発足以来初。

 東日本大震災により、今後も広く東日本での地震発生が予想される。Jリーグは観客、選手の安全管理の観点から、今までにない明確な姿勢で試合運営に当たる。

 人命第一を基本コンセプトに、震源地が試合会場から離れている場合でも適用する。Jリーグ担当者は「メールが届くというのは、震度4以上の強い揺れの可能性があるということ。届いた時点で試合を中断する作業をします」と話した。

 試合中断は主審に決定権があるが、試合中は口頭では気が付かない場合を念頭に、(1)クラブ運営者→第4審→主審と(2)場内放送→主審の2通りを準備。音とバイブ機能で主審に異常を伝える「シグナルビップ」を利用し、副審、第4審が発信する無線機で、速やかに指令を送る。

 得点機などで、どこまで徹底できるか未知数なところもあるが、原則として緊急地震速報受信後、即座の中断が既定路線。23日の東北での開催はないが、被災地の水戸-徳島(Ksスタ)鹿島-横浜(国立)大宮-柏(NACK)川崎F-仙台(等々力)甲府-神戸(中銀スタ)横浜FC-鳥栖(ニッパ球)の6試合が関東で開催され、1度に複数会場での中断も予想される。この日、Jリーグから「緊急地震速報が発表された場合のガイドライン」として各クラブに通達されている。