<ナビスコ杯:名古屋1-2鹿島>◇準決勝◇9日◇瑞穂陸
鹿島が名古屋を延長の末、撃破した。1-1で迎えた延長後半2分、高卒ルーキーMF柴崎岳(19)がプロ入り初ゴールを決め、チームを5年ぶり7度目の決勝に導いた。大物新人と期待されて入団した後、故障などで苦しんだが、ついに結果を出した。決勝は29日に国立競技場で行われる。
停滞ムードを柴崎が打ち破った。1-1で迎えた延長後半2分、本山の絶妙なスルーパスに反応した柴崎が、オフサイドラインぎりぎりから抜けだし、右足一閃(いっせん)。ここまで、決定機をことごとく防がれてきた名古屋GK楢崎の牙城を崩す強烈なシュートを決めた。
プロ初ゴールが貴重な決勝点。「練習中から、あの角度のシュートはゴールの上を狙えば入るという感覚はあった。出場した試合は毎試合ゴールを狙っていたので、決められてよかった」と冷静に振り返った。
サッカーに取り組む意識は高い。6月22日の神戸戦で右第4中足骨基部骨折で全治2カ月と診断。リハビリ中は体幹トレーニングに励み、入団時より4キロ増の66キロに増量した。初任給はトレーニングの雑誌やサプリメントに費やし、2部練習も自主的に行っている。9月の名古屋戦で途中出場。ナビスコ杯は準々決勝の横浜戦(5日)に続きフル出場で結果を出した。
「練習中から満男さんのいいところを盗んでいる」とボランチでコンビを組んだMF小笠原から多くを学ぶ。攻守に労を惜しまぬプレーを目の当たりにし、入団時より「守備の意識は多少よくなった」と話した。この日スルーパスを送った本山の技術、前半に左肩を負傷しながら120分間プレーし続けたDF中田の闘争心など、黄金世代の存在も成長を促す要因だ。
オリベイラ監督は「鹿島のみならず日本を背負って立つ逸材」と評価。日刊スポーツ評論家の秋田豊氏も「将来の遠藤保仁」と期待する。柴崎は「鹿島の一員としてタイトルは目指すのは当然」と常勝軍団の自覚も備わり、ナビスコ杯9年ぶり4度目の優勝を見据えた。【塩谷正人】



