J2札幌が、磐田DF古賀正紘(33)の獲得に動いていることが14日、分かった。来季J1に向け、J1通算328試合出場と経験豊富なセンターバックを補強し、DFラインのさらなる強化を図る狙いだ。古賀は今季、磐田に完全移籍も7試合と出場機会に恵まれず、新天地でのプレーを望んでいた。今後、古賀サイドとの交渉を経て、条件がまとまり次第、正式オファーを出す。

 経験豊富なベテランをDFラインに加え、J1版守備陣へ進化させる。札幌ではすでに古賀の情報収集を開始。今後、クラブ幹部が本人サイドと直接交渉。条件面がまとまり次第、正式オファーを出す。古賀は今季、完全移籍した磐田で出場7試合にとどまっており出場機会を求めている。4年ぶり昇格となる札幌も、実績の豊富なセンターバックを必要としており、正式加入となる可能性は高い。

 若いDF陣にとって手本になれる存在だ。クラブ幹部も「J1に上がるうえで、経験あるセンターバックを入れたい」と話している。同ポジションは今季C大阪から加入した24歳DF山下が38試合中37試合にフル出場。終盤に高卒新人DF櫛引、高校生DFの奈良が起用された。古賀は来季でJリーグ16シーズン目。通算328試合出場を誇り、昨年は磐田のナビスコ杯優勝にも貢献するなど実績は十分だ。正式に決まれば、その経験が生かされることは間違いない。

 戦術にもスムーズに融合できそうだ。柏に在籍した07、08年には石崎監督の下でプレー。1対1の対応やヘディングでの競り合いにも強く、07年には同監督から「前半戦のMVP」と評価された。来季は原則、今季の中心戦力をベースに構成されるだけに、指揮官のスタイルを熟知している点も、大きなアドバンテージとなる。

 今季はリーグ2位の32失点と守備力が武器となった。カテゴリーが上がる来季も、その流れを踏襲して、まず失点を最小限に抑えることがテーマとなる。3月に左足首を負傷し長期離脱したが既に回復しており問題はない。来季は若い札幌DF陣を安定させるキーマンとして、期待がかかっている。

 ◆古賀正紘(こが・まさひろ)1978年(昭53)9月8日、福岡県生まれ。東福岡高2年時の高校選手権で4強。97年に名古屋入り。07年に柏に移籍し08年まで2シーズン石崎監督の下でプレーした。昨年8月に磐田に期限付き移籍。今季から完全移籍した。Jリーグ初出場は97年4月12日の開幕C大阪戦、同初得点は99年5月15日の磐田戦。J1通算328試合20得点。185センチ、79キロ。右利き。弟は元神戸MF古賀誠史(現SC相模原)。