闘魂注入だぁ!

 札幌が3月10日の開幕磐田戦(札幌ドーム)に、アントニオ猪木氏(69)の招聘(しょうへい)を検討していることが27日、分かった。史上初のJ1ホーム開幕戦を前に、クラブではゲストとして格闘家やタレントらを複数リストアップ。同氏は10年に石崎信弘監督(53)と対談経験もあり、J1初戦を盛り上げるには最高の人材といえる。“燃える闘魂”を味方に開幕ダッシュを狙う。

 開幕戦史上最強のゲストが登場する可能性が高まった。札幌のクラブ関係者は猪木氏招聘について「具体的なことはこれからですが、その可能性はあります」と明かした。クラブ創設16年目にして、初めてホームで迎えるJ1開幕戦だ。この1勝がシーズンを左右するといっても過言ではない大一番。格闘界のカリスマが味方に付けば、怖いものはない。

 札幌と猪木氏は意外に縁が深い。08年6月のナビスコ杯柏戦では、札幌ドームにビデオメッセージが届き「札幌をみんなで元気にしましょう!

 1、2、3ダァ~!!」と叫んで盛り上げた。石崎監督も同氏のファン。09年1月の始動イベント時には「元気があればJ1にも昇格できる!」と猪木節を用い、翌10年には札幌市内で対談。実現すれば、指揮官としても最強の助っ人を得ることになる。

 古巣との一戦に懸ける、44歳ゴン中山にとってもかけがえのない存在だ。03年には新日本プロレス30周年イベントに登場。還暦前祝いの花束を贈り“お返し”の闘魂ビンタを注入してもらった。両膝関節炎で、この日から静岡でのリハビリを再開。熊本合宿からは離脱したが、クラブ関係者は「それだけフォーム改良がうまくいっているということ」と話しており、前向きなシフトチェンジだ。状態が上向き、開幕戦に間に合えば、札幌ドームで猪木&ゴンの夢の闘魂タッグが結成されることになる。

 チームはここまで実戦5試合を消化したが、プロクラブには4戦未勝利と厳しい状況が続く。結果を出せずに苦しんでいるが、勝利を呼ぶのはチームの力だけではない。開幕戦当日、札幌ドームの大観衆と燃える闘魂猪木氏のエネルギーを合体させ、勝ち点3奪取を後押しする。