<J1:東京1-2鹿島>◇第6節◇14日◇味スタ

 未勝利にあえいだ鹿島が、開幕6戦目にして白星を飾った。3位東京を相手に、MF遠藤康(24)のパスが起点となって、FW興梠の公式戦3戦連続ゴールで先制すると、同点で迎えた終了間際に再び遠藤が、勝ち越し弾を決めた。ベンチ入り停止処分を科せられジョルジーニョ監督不在の中、価値ある勝利で最下位を脱出した。

 雨で桜が散りきる前に、鹿島にもようやく春が訪れた。先制しながらも追いつかれて迎えた後半ロスタイム。FWジュニーニョが放ったシュートのこぼれ球にMF遠藤が反応した。「ファーにいればボールがくるかなと思っていたら、こぼれてきた」。冷静に左足で押し込むと、歓喜に沸く鹿島スタンドまで突っ走った。「ただうれしい。本当に苦しかった」。前節敗れて流した悔し涙は、初勝利でうれし涙に変わった。

 最後の最後まで諦めなかった遠藤は宮城県出身。東北出身選手中心につくられた「東北人魂」で復興支援活動に携わる。こう着状態が続いた後半21分には、パスカットから速攻を仕掛けて先制点も演出した。2得点に絡み「普通の1勝じゃない。次苦しいときがあっても、また乗り越えられる」。公式戦3戦連続ゴールを決めたFW興梠も「あらためて勝ち点3の大きさが分かった」と開幕6試合目にして手にした勝利を実感した。

 ジョルジーニョ監督不在の窮地にも、ピッチの選手は自信を失っていなかった。開幕からここまで出場した選手は21人。結果が伴わず、積極的に選手を入れ替えると同時に、自然と若手選手が起用された。先発の平均年齢は開幕戦の29・82歳からこの日は26・45歳。前節からは助っ人もベンチに回り、日本人選手で先発を固めた。主将のMF小笠原が「若手にチャンスを与えているのではなく、頑張っている選手が若手なだけ」と認める高卒プロ2年目の19歳MF梅鉢は、中盤の底でチームを支え続けた。

 ようやく積み上げた勝ち点3で、最下位から脱出。「若い選手が多い中で、気持ち的に楽になったと思う。このまま連勝していきたい」と、得点源の興梠は言い切った。まだ6節、リーグは序盤。下で踏ん張った分だけ、ここから大きく跳ね上がる。【栗田成芳】