清水MF小林大悟(29)がアメリカ・メジャーリーグサッカー(MLS)に所属するバンクーバー(カナダ)へ移籍することが21日、分かった。関係者によると既に交渉は大詰めを迎えており、小林は近日中にも現地入りする予定。契約を交わした後、クラブから正式発表される。

 小林は11年にギリシャのイラクリスから完全移籍で地元清水に入団。エースナンバー「10」を背負うなど期待されたが、1年目は持病の腰痛に苦しめられ12試合無得点。10月には手術に踏み切った。2年目の昨季はコンディションも徐々に回復し、4月のナビスコ杯新潟戦では移籍後初得点を記録。リーグ戦でもシーズン終盤には主力としてピッチに立った。

 一方、アフシン・ゴトビ監督(48)が大幅な若返りを図ったことで、出場機会を失っていた。リーグ戦出場は17試合にとどまり、シーズン終了後に「清水はやっぱり自分にとって特別な場所。思い描いていたプレーができずに悔しさは当然残っている。ただ、サッカー選手として、まだまだ常に出場できる環境を求めたいというのが正直なところ」と、複雑な胸中を明かしていた。

 今オフに契約満了となる清水側も本人の意思を尊重する方針を固めている。小林は新天地で再出発を目指すことになる。

 ◆小林大悟(こばやし・だいご)1983年(昭58)2月19日、富士市生まれ。東海第一中(現・翔洋中)から清水商。中学、高校ともに司令塔として全国制覇に大きく貢献した。01年東京Vに入団し、03年にはU-20日本代表として世界ユースで8強。06年に大宮へ移籍し、同年A代表入り。トリニダード・トバゴ戦で代表デビュー。09年にノルウェー1部のスタベイクへ移籍。10年はギリシャのイラクリスでプレーした。J1通算223試合18得点。178センチ、72キロ。家族は夫人。血液型B。