<J2:神戸2-0G大阪>◇第13節◇6日◇ノエスタ

 神戸が“遠藤つぶし”で首位を守った。首位攻防戦となった2位G大阪との阪神ダービーは、完勝。刺客として送り込んだ神戸MF田中英雄(30)が、G大阪の日本代表MF遠藤保仁(33)を封じ、作戦通りの動きで先制点もアシストした。J1昇格を争う宿敵との勝ち点を6差に広げ、勝てば初の首位だったG大阪は今季初黒星で3位に転落。

 神戸の作戦は明確だった。「遠藤をつぶせ!」。宿敵G大阪の大黒柱を自由にさせなければ、勝機はある。頭脳派の元日本代表MF橋本を控えに回し、刺客として送り込まれたのは泥臭い仕事が持ち味の30歳田中だ。前を向かせないように、重圧をかけ続けた。見せ場は後半4分。相手のMF家長がボールを失うと、最前線に飛び出した。ゴール前でボールを落とし、同学年の田代の先制弾をアシストした。

 首位決戦を制し、安達監督はしてやったりの表情だ。「対ガンバということで考えると、田中とエステバン(のダブルボランチ)は、人とボールに強い。この組み合わせの方が、ガンバ相手にはいいという狙いがあった」。豪華攻撃陣を擁するG大阪でも、司令塔遠藤さえ封じればいい-。神戸の狙いは、まんまと的中した。

 必然的な勝利。実は得点場面も作戦通りだった。G大阪はボールを失った際、守備が手薄になる。流れを引き寄せた先制弾に加え、後半20分のFW小川の追加点も相手のミスから一気に攻めて奪ったもの。殊勲の田中は胸を張った。

 「(神戸が)ボールを奪った後に、ガンバは(守備が)薄くなるということはミーティングから分かっていた。遠藤選手が絶対のキーマンですし、気持ち良くプレーさせてはいけない。ボールが(遠藤に)入っても、バックパスをさせることを意識しました」

 昨季の主力だった大久保、伊野波、野沢らが移籍。G大阪とは対照的に無名の選手ばかりになっても、ひたむきに走り、仕事をこなす。数少ない代表経験者の田代は「負けていたらメンタル的にも落ち込んでいた。僕らはやれるということが、これで分かったと思う」。2位長崎とは勝ち点5差、3位G大阪とは6差。1年でのJ1復帰へ、大きな1勝だ。【益子浩一】