鹿島MF小笠原満男(34)が、20年の東京五輪開催決定に“東北人”の目線で言及した。五輪開催を「うれしいことだし、うまくいってほしいとは思う」と前置きした上で、11年の東日本大震災から現在、そして7年後の思いを語った。

 「復興を始めてからもう2年半もたつのに、まだまだ進んでいないし、今は福島の汚染水問題もある。招致のときは『大丈夫』って言っていたけど、それで風評被害を受ける人だってたくさんいる。五輪をやるなら、完全に復興してから行って欲しい」

 岩手出身の小笠原は震災後「東北人魂を持つJ選手の会」を立ち上げ、復興支援に参加している。29日には鹿島主催で、被災したカシマスタジアムの復旧を記念した「オープンスタジアム」が開催され、震災復興のイベントも行われる。

 「うちには青森出身の岳(MF柴崎)、宮城出身のヤス(MF遠藤)もいる。福島にはJヴィレッジがあり合宿でお世話になった」と小笠原。3・11と切り離すことのできない鹿島で、率先して活動し続ける主将は、7年後の日本で復興と五輪が両立することを願っている。【桑原亮】