J1に復帰したG大阪長谷川健太監督(48)が28日、宿敵へ先制パンチを見舞った。今季は宿敵C大阪との大阪ダービーが2年ぶりに復活する。名実ともに大阪の盟主だったG大阪だが、一方でFW柿谷ら日本代表のスター選手を続々と輩出するC大阪は、ウルグアイ代表FWフォルランまで獲得するなど攻守逆転。指揮官は自身初体験となる大阪ダービーへ向け、早くも闘争心を燃やして盟主の完全復活を誓った。

 G大阪で2年目を迎える長谷川監督が、宿敵への思いを口にした。「刺激し合える関係。当然負けたくない第一のチーム」。前日に沖縄での1次キャンプを終えて、この日は大阪・吹田市内の万博練習場で約1時間調整。2月1日からの宮崎での2次キャンプを前に、早くもC大阪へのライバル心があふれた。

 無理もない。G大阪が初めてJ2に降格した昨年、C大阪は柿谷や山口が日本代表でブレークした。J1では4位に滑り込み、ACL出場権も手に入れた。香川ら選手を欧州へ輩出し続け、下部組織の育成も順調、今季はウルグアイ代表FWフォルランまで加入した。かつてG大阪が築いた同じ黄金時代への道を、宿敵が進む。

 2年ぶりの大阪ダービーは、第6節の4月12日に長居で行われる。C大阪のフォルラン獲得に、長谷川監督は「若い選手にとっては、いろんな意味で良い刺激になる」といい、自軍のFW宇佐美への好影響も見据えた。日本代表MF遠藤とDF今野も昨年、ウルグアイとの国際親善試合で対戦したため「絶対に勝ちたい気持ちがある」と口をそろえた。

 指揮官自身も清水での現役時代、磐田との静岡ダービーを経験した。世界的スターのスキラッチやドゥンガと対戦した。「大物外国人がいっぱい日本に来ていた時代だった。彼らと対戦するのは嫌だった」と振り返ったが、ダービーではより勝利を求められるのを自覚している。

 この日夜は大阪市内でスポンサーなどを対象にしたオフィシャルパーティーが開かれた。メーンスポンサーのパナソニック松下正幸副会長からは「1年で(J1)復帰した年に優勝。勝負事なので優勝するのは当然」とエールを送られた。柏に続く昇格即優勝へ、まずはC大阪に勝つことが最低条件。長谷川監督は「昨年の1年を生かしてJ1の舞台で頑張りたい」と意気込んだ。【辻敦子】