<J1:浦和4-0仙台>◇第6節◇6日◇埼玉ス

 無観客試合後、初のホームでのリーグ戦となった試合で、浦和FW李忠成(28)が2ゴールを決め、大勝に導いた。前半40分、MF原口のパスをダイレクトで蹴り込み、移籍後リーグ戦初ゴール。後半21分にはまたも原口からのパスを受けると、相手GKの動きを見極め冷静なループシュートで2点目を挙げた。「最高です。体もきれてきたところで、取れて良かった。明日にでも試合をしたいくらい」と充実ぶりに好感触を得ていた。

 一方で、終盤にはハットトリックのチャンスもあったが蹴り損なった。「監督からも、あれは決めなきゃだめだと怒られました」と反省も忘れなかった。

 浦和入団前、クラブスタッフから聞かされたことがある。「獲得に一部のサポーターから反発があると思うが、全力で守るから」。今季初戦のG大阪戦、2節のホーム鳥栖戦ではメンバー発表だけで一部からブーイングがあった。だが結果を出すまでは、と耐えた。2節の3月8日に、差別的な横断幕がコンコースに掲げられた。騒動になった後、実家には警察官が来て、万が一に備えて周辺警備を強化することが伝えられたという。

 だが李はすべてを本領発揮への糧にした。埼スタにサポーターが戻ってきた最初の試合、ナビスコ杯大宮戦で初ゴール。そしてこの日は2得点。2試合連続で「忠成」コールを気持ち良さそうに受け止めた。試合後にはサポーターとともに勝利の後の歌「We

 are

 diamonds」を初めて歌った。

 浦和レッズFW李忠成。タイトルへ向けて欠かせない存在であることを結果で示した。【高橋悟史】