<J1:G大阪2-1大宮>◇第8節◇19日◇万博

 G大阪が大宮に勝利し、今季ホーム初勝利を飾った。主役は後半39分から出場した日本代表DF今野泰幸(31)だった。同点に追いつかれた1分後の後半43分、強烈なミドルシュート。前節C大阪で左膝を痛め負傷交代していたが、その左足で今季初ゴールとなる決勝点を奪った。リーグ戦5試合未勝利で下位に低迷していたチームを救った。

 MF遠藤からのパスを決めた今野は「とにかく勝ち点3が欲しかった試合だった。1-0で勝っている場面で僕が入ってから失点してしまった。死のうかと思った。本当に絶望だった。でも神様が晴らしてくれた。あのゴールは奇跡です」と振り返った。

 打撲とはいえ左膝を負傷し、先発は見送られた。守備固めでようやく登場した3分後に失点していた。今野が直接かかわっていない失点だが、その直後の豪快な1発。長谷川監督が「本人も期するものがあったと思う。さすが」といえば、主将の遠藤は「今日の勝ちは大きい。ビッグチャンスも徐々に増えてきている」と手応えを口にした。

 2年ぶりにJ1復帰した今季は第2節アウェー新潟戦の1勝のみだった。気持ちも落ち込み、今野は「スランプ的なものだった」という。それでも妻恭子さんの支えもあり「僕は強がりだから弱音とかは吐かないけど、奥さんにだけは話していた。本当にいい人なので。いろんな言葉をかけてくれた」と照れた。

 W杯を目前に守備陣に故障者を抱える日本代表、そしてG大阪にとっても、今野の活躍は大きなパワーとなる。【辻敦子】