W杯ブラジル大会のメンバー発表(12日)前としては、最後のリーグ戦9試合が今日10日、全国各地で行われる。

 鹿島の日本代表候補MF柴崎岳(21)が「不言実行」でサプライズの機運を高める。ボランチ争い最終選考となるアウェー川崎F戦へ、貝になった。茨城・鹿嶋市内での前日練習後、報道陣に対し無言で車に乗り込み、軽く右手を上げて走り去った。

 以前から「試合でのプレーが自分のすべて。それ以外に評価は存在しない」と話しており、自分では「10%」と見る代表選出の可能性より、表現の場のピッチに集中したいようだ。

 15日間で5試合の過密日程を締めくくる一戦。その間、ボランチとトップ下でフル回転してきた21歳は、日本代表のアルバレッラ・フィジカルコーチが視察する前でタフな姿を見せるしかない。過去4度のW杯にすべて選手を送り込んだ名門鹿島の期待を背負い、結果の後に口を開く。

 ◆日本代表のボランチ争い

 枠が4人とみられる激戦区。遠藤(G大阪)長谷部(ニュルンベルク)山口(C大阪)が当確。4枠目争いでリードする細貝(ヘルタ)を、柴崎と青山(広島)高橋(東京)が追う。J1連覇に貢献した青山、鹿島で主力3年目の柴崎は攻撃面で、ヘルタで今季33試合中32試合に出場の細貝が守備面で、特長をアピールする。右膝手術を受けた長谷部の状態が不安視される中、柴崎ら当落線上の4人のコンディションも重要な判断材料になる。