新潟のFW川又堅碁(24)が電撃退団する可能性があることが7月31日、分かった。W杯中断明けのJ1再開後、3戦連続のベンチ外。けがではないにもかかわらず、昨季得点ランク2位の23点を決めたストライカーに不可解な起用法が続く理由が、複数のJリーグ関係者の話で判明した。すでに国内外のクラブが熱視線を送っており、移籍の選択肢が視野に入ってきそうだ。

 ザックジャパン招集歴のある川又が、電撃移籍する可能性が浮上した。Jリーグは8月15日までならシーズン途中の移籍が可能。日本人離れした身体能力と得点力を、のどから手が出るほどほしい複数クラブが、調査を開始している。

 W杯中断明けのJ1再開後、3戦連続のベンチ外と、不可解とも言える起用法が続いている。中断前まで全14試合に先発出場。開幕直後は、けがを抱えながらも起用されただけに、スタメンどころかベンチにも入らないのは不自然だった。柳下監督は理由を「コンディション不良」としているが、複数のJリーグ関係者の話を総合すると「コンディション不良」ではないようだ。

 昨オフの活躍で川又はJクラブだけでなく、ドイツやロシアのクラブからも獲得の打診を受けた。しかし、新潟との契約があと1年残っていたため「今季は新潟でしっかりと結果を出す」と腹をくくって開幕を迎えた。W杯出場は逃したものの、4月にはザックジャパンの国内合宿にも初招集されていた。

 状況が変化したのはJリーグの中断期間だったという。川又は、新潟から複数年の契約延長オファーを受けたが、将来的なステップアップを考えて保留を申し入れた。その直後から起用法が変わり、ベンチからも外された。中断前に、わずか2敗だったチームは3戦連続無得点で3連敗と、川又の離脱とともにチームは停滞している。

 国内では複数クラブが触手を伸ばし、すでに始動している海外クラブも興味を示している。明日2日のC大阪戦もメンバー外が濃厚。このまま飼い殺し状態が続けば、新潟を去るという苦渋の決断をせざるを得なくなる。

 ◆川又堅碁(かわまた・けんご)1989年(平元)10月14日、愛媛県生まれ。小松高在学中の06、07年にJ2愛媛の特別指定選手。08年に新潟入り。10年にはブラジル・カタンドゥベンセに半年間の期限付き移籍。12年はJ2岡山に期限付き移籍し得点ランク2位の18得点。新潟に復帰した昨季はJ1で得点ランク2位の23点を決めてベストイレブン。183センチ、75キロ。