<J2:群馬3-0札幌>◇第32節◇20日◇正田スタ

 新体制2戦連続で勝てず-。J2札幌は、群馬に今季ワースト失点で敗れ、5戦ぶりの黒星となった。前半26分、GK金山のキックミスから先制点を献上。後半にも失点を重ねた。采配2戦目のバルバリッチ監督(52)は、前節から先発3人を入れ替えるなど、てこ入れして臨んだが、初勝利はお預けとなった。勝ち点42のままで、12位の順位も変動はなかった。

 札幌がミスから自滅した。前半26分、DF櫛引が相手選手に追い込まれ出しどころを失い、プレッシャーから逃れようと、ぎりぎりのタイミングでGK金山にバックパスを出した。「もっと自分が集中してプレーできていたら、あのような状態でパスを出すことはなかった」と櫛引。受けた金山のキックミスが、群馬FWロビーニョに拾われ、あっさり先制点を許した。

 さらに後半4分、群馬FW平繁の縦パスを止めに前に出たDF奈良が後ろにこぼすと、群馬MF久富に奪われ2点目を献上。奈良は「パスは読んでいたのに。後半開始早々に入れられてしまい申し訳ない」と反省した。その後、バルバリッチ監督は前田、榊ら攻撃的な選手を送り込み、流れを変えに出たが同29分、左CKから3失点目。ミスで2点、セットプレーで1点を奪われ、19位の相手に完敗した。

 試合前に地元の陸上大会が開催されており、ピッチは荒れ気味だった。だが指揮官は「ピッチ状態は相手も同じこと。札幌の選手の判断の遅さが結果につながった。何か怖がってプレーしていた」と振り返った。凡ミスが多く、監督が伝えてきた、縦へくさびを入れ、戻してから展開する形は、ほとんど見られなかった。DFと中盤との距離感も悪く、大事な2戦目は、バルバイズムを実践する状態にまで進まなかった。

 残りは10試合。プレーオフ圏6位との勝ち点差は7に開いた。次節までは中2日しかない。指揮官は「ボールにアタックする力強さが足りない」と言った。まずは戦う姿勢からたたき直し、中2日での岡山戦に臨む。【永野高輔】