<J1:仙台1-2柏>◇第30節◇26日◇ユアスタ

 仙台がホームで柏に競り負け、5試合ぶりの黒星を喫した。前半20分と後半ロスタイムの失点は、いずれもセットプレーから。FW武藤雄樹(25)の同点ゴールも実らず、低迷の要因となった弱点を露呈して14位に後退した。

 8、9月の5連敗を引き起こした「セットプレーの悲劇」が繰り返された。ゴールに近い位置だけではなく、ピッチ中央付近で与えたFKでもネットを揺らされた。今季43失点のうち、セットプレーでの失点は降格の決まった徳島に次ぐリーグワースト2位の13点。渡辺監督は「試合を大方コントロールできた中で、リスタートでの2失点は反省しなければならない」と厳しい口調で振り返った。

 マークを外した個人の責任だけではない。仙台はマンツーマンで守る形だが、最初の失点は蹴られる前の相手の動きにつられてDFラインがバラバラになり、オフサイドを取り損ねた。結果的に柏DF渡部にフリーで合わせられ、DF石川直は「ほんの一瞬のことだけど、全体の動きが合っていなかった」。前日の練習ではキッカーが蹴るまで動かなかったはずの「壁」が、大事な場面で崩れた。

 決勝点はロングボールの空中戦に競り負け、こぼれ球の対応も遅れた。指揮官は「要因は何なのか、という思いは正直ある。練習の量なのか質なのか、しっかり修正したい」と言った。これで先制された試合は1勝12敗。一発で流れが変わるセットプレーでの失点を食い止めない限り、勝ち点3は見えてこない。【鹿野雄太】