<J2:札幌1-1讃岐>◇第40節◇9日◇札幌ド

 連続ドローでプレーオフ(PO)消滅秒読み-。J2札幌は21位の讃岐と引き分けた。前半16分に先制点を献上。後半5分にFW都倉賢(28)の札幌ドーム4試合連続ゴールで追いつくも、勝ち越すことはできなかった。PO圏の6位山形との勝ち点差は、残り2試合で4。5位以下が確定し、次節アウェー福岡戦で敗れれば、無条件でPO進出が消滅する状況となった。

 試合終了を迎えた札幌ドームに、沈黙が続いた。30秒後、ようやく約30人前後の讃岐サポーターから健闘をたたえるエールが始まったが、札幌側のスタンドからは、わずかに拍手が出ただけ。重苦しい空気が漂った。「これだけ大勢のサポーターにきてもらって、期待に応えられず残念。この敗戦の責任は私にある」とバルバリッチ監督。結果はドローも、指揮官の口から出たのは“敗戦”の2文字だった。

 それぐらいショックな引き分けだった。0-1の後半5分、内村の左クロスを都倉が右足で押し込み同点に追いついた。06年フッキ以来8年ぶりの札幌ドーム4試合連続ゴールで勢いづいたが、もう1点が生まれなかった。「いい時間帯に追いつけたのに。あの5分、10分でもう1点取れていたら」と都倉。同11分にDFパウロンのミドルシュートのこぼれ球を再び都倉が詰めたがGK正面をついた。流れを引き寄せた時間帯で、一気に勝負を決めきることができなかった。

 前節の20位東京V戦に続き、21位讃岐にも引き分けて、5位以下が確定。残り2試合でPO圏とは勝ち点4差のままだが、試合数が減り、急速に可能性がしぼんだ。次節福岡戦に負ければ無条件で、勝っても当該チームの結果次第でPOが消滅する状況に陥った。都倉は「勝たなきゃいけない状況だったのに」と悔やんだ。

 さらに後半20分に負傷交代した左MF石井が右足底部を痛め、今日10日に札幌市内の病院で精密検査を受ける。今季26試合に先発してきた主力が、また1人離脱する可能性が出てきた。満身創痍(そうい)のチームに忍び寄る“終戦”の足音。指揮官は「次の2試合は後手に回らないこと。怖がらず戦うことを意識させたい」と言った。残り2戦全勝で、粘りを発揮する。【永野高輔】

 ◆札幌のPO圏争いの行方

 次節で札幌が福岡に敗れた場合、最大勝ち点が60にとどまり、6位山形が仮に2連敗でも勝ち点61で追い抜けなくなり、無条件でPO圏進出が消滅する。福岡に勝った場合でも、5位千葉(対富山)と6位山形(対磐田)が次節でそろって勝った場合、札幌の7位以下が確定する。引き分けの場合は、6位山形が引き分け以上、もしくは7位大分が勝利でPO圏入りがなくなる。