<天皇杯:G大阪5-2清水>◇準決勝◇26日◇味スタ

 清水はG大阪に敗れ、4大会ぶりの決勝進出を逃した。序盤から2点を先行される苦しい展開も、先発した若手中心のメンバーが奮起。FW加賀美翔(20)のプロ初得点などで一時は同点とした。しかし、その後は失点を重ねて敗れたが、29日に迎えるJ1残留を懸けたアウェー柏戦(午後2時、柏)に向けて好材料の残る90分間だった。

 狙いがはまった。4大会ぶりの決勝進出を懸けた重要な一戦。大榎監督は、22日のリーグ名古屋戦から先発9人を入れ替えて臨んだ。前日に「思い切りプレーできれば楽しみ」と語っていた指揮官の手応え通り、プロ初先発のFW加賀美とMF金子翔太(19)を筆頭に若手メンバーの“爆発力”が発揮された。

 2点を追う前半20分。FW加賀美がゴール前の反転から左足を振り抜く。思いの詰まったシュートは、相手にあたってゴールに吸い込まれた。「結果を残したい」と話していた若きストライカーの、起用に応えるプロ初得点がチームの勢いをさらに加速させた。

 同24分には、MF石毛秀樹(20)のカットから高速カウンター。最後はスルーパスに抜け出したMF高木善朗(21)が、今大会3点目となる2試合連続ゴールを決め、わずか4分間で同点とした。

 ナビスコ杯を制し、J1リーグでも優勝争いを演じる強敵・G大阪に善戦。しかし、勝負どころでは相手が上手だった。同32分に、クロスから勝ち越し点を献上。後半27分、40分にも失点を重ねて力尽きた。

 決勝進出には届かなかった。それでも加賀美、高木善のゴールだけでなく、村田がアシストを記録。後半31分には、FW長沢駿(26)が、右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを乗り越え戦列復帰した。中2日で迎えるJ1残留を懸けたアウェー柏戦に向けて、収穫は十分だった。【前田和哉】