<欧州CL:セルティック0-0オールボー>◇17日(日本時間18日)◇1次リーグE組◇英グラスゴー

 【グラスゴー(英国)17日(日本時間18日)=塩畑大輔、アンソニー・マッカスカー】セルティックMF中村俊輔(30)の欧州チャンピオンズリーグ(CL)3季連続決勝トーナメント進出に、早くも黄色信号がともった。オールボーとの1次リーグ初戦では、コースを鋭く突く得意のFKが、相手に警戒され2度もGKに防がれた。チームもホームで0-0の引き分けに終わった。同日、決勝トーナメント進出圏内の2位を争うビジャレアルが、マンチェスターU相手にアウェーで貴重な引き分け。セルティックは苦手のアウェーで勝ち点を稼がなければならない、苦しい立場に立たされた。

 想定外のセーブに、思わず立ち尽くした。後半24分、ゴール正面からの直接FK。中村は5枚のカベ周辺の守備陣の動きをよく見て、左足を振り抜いた。正確な弾道が、ゴール左隅を突く。だが次の瞬間、オールボーGKザザの姿が、軌道上に現れた。伝家の宝刀が、まるで野球のキャッチボールのように、楽々と体の正面で受け止められた。

 出方は読んだつもりだった。事前にDVDで相手GKやDFの動きを、入念に分析していた。「カベからDFが1人、ゴールマウスまで下がるのは分かっていた。蹴る時にまた前に出てくる。その時にGKが、そのDFがいた方に動く傾向があった」。逆を突いたつもりが、待ち伏せされたように防がれた。「今日はGKが動かなかった。動けなかったのか分からないけど…」と首をかしげた。

 悪夢は続いた。同36分の直接FK。今度はゴール右上隅の、さらに難しいコースを突いた。だがザザが右腕一本で再びセーブ。「やはりGKがまったく動かなかった。動いていれば入っていたのに…」。キツネにつままれたような思いで、試合終了の笛を聞いた。

 十分な準備をしていたのは、オールボーも同様だった。主将MFオーガスティンセンは「06年マンチェスターU戦での中村のFK弾は、僕にとってCL史上で一番印象的。でも今回は決められるわけにはいかない」と警戒を呼びかけていた。中村のFK傾向が読みきられていた可能性は、非常に高い。しかもゴール近くでのファウルをさける守備も徹底されて、直線FKの本数自体も制限された。

 中村は「FKがダメなら流れの中で」とばかり、同34分にはスルーパスに飛び出した。パスでMFブラウンの先制弾をアシストしたかに見えたが、直後に中村のオフサイドが宣告された。微妙な判定に、試合後は言葉も詰まらせた。「ああいうところに走り込めるのは、新しい感覚。ああいう形を増やせればいい」と話すのが精いっぱいだった。

 ストラカン監督は「今日の結果で大きな壁を乗り越える必要性が出てきた」と話した。2位を争うビジャレアルが、強豪マンチェスターUとのアウェー戦で、貴重な勝ち点1を挙げたこともある。現行の大会方式になって以来、本戦では17戦未勝利のアウェー戦で、白星が必要になった。再三の好プレーむなしく、中村が3季連続の16強進出へ、早くも苦境に立たされた。