<陸上:東日本実業団選手権>◇最終日◇20日◇埼玉・熊谷陸上競技場

 女子5000メートルは吉川美香(27=パナソニック)が15分33秒48で優勝。終盤ケニア選手との一騎打ちになったが、残り600メートルからスパートして振り切った。ラスト1周は66秒3と、元中距離選手らしい切れ味を見せた。

 「3日前にボルダー合宿から帰国したばかり。練習の一環で出場しましたが、ラストの切り換えをレースの中で試してみたかった。そこはできたと思います」

 日本選手権は1500メートルで2010年まで5連勝したが、4年前の北京五輪は標準記録が破れずに代表入りを逃した。昨年から本格的に距離を伸ばし、今回は5000メートルでA標準を、10000メートルでもB標準をすでに突破済み。五輪最終選考会の日本選手権(6月8~10日)は10000メートルにも出場予定だが、5000メートルが「大本命」という。

 しかし昨年の日本選手権5000メートルは、序盤からハイペースで飛ばした新谷仁美(24=ユニバーサルエンターテインメント)につけず、中盤でスパートした絹川愛(22=ミズノ)にも対応できなかった。今年もその2人がライバルとなりそう。

 「去年のことは本当に悔いが残っているので、この1年間課題としてきました。今年は対応力もついているし、練習は今のところ順調。今から3週間、練習の質をさらに高めてパーフェクトな状態で日本選手権を迎えたい」

 激戦の予想される5000メートルだが、ラスト勝負に持ち込むことができれば吉川が優位となる。