「全国100勝」は連覇への通過点だ!

 全国高校選抜バスケットボール優勝大会で昨年女王の札幌山の手(北海道)が24日、初戦の2回戦で新潟中央と対戦する。初勝利を挙げた77年の高校選抜から高校総体と合わせて、全国で積み上げた勝ち星は98勝。学校創立100周年を迎える節目の年に築き上げてきた「山の手スタイル」を貫いて、国体との2冠と道勢初の連覇の“ダブルV”を目指す。

 連覇へ気負いはない。初戦が翌日に迫っても札幌山の手の選手の表情は、普段と変わらなかった。23日、神奈川県内で約2時間の練習で最終調整。日本代表で大黒柱の長岡萌映子主将(3年)は「最後の大会になるし、1つ1つのプレーを大事にしたい」と気持ちを引き締めた。

 チームの伝統になっているディフェンス、リバウンド、ルーズボールが、今年も優勝のカギとなる。昨年は高校総体と高校選抜、さらには同校主体で編成された国体でも優勝。道勢初の高校3冠を達成し、高校バスケットボール界にその名を刻んだ。3つのプレーは基礎的な動きだが、札幌山の手の土台そのもの。昨年のチームもそれを常に心掛けて快挙を成し遂げた。

 上島正光コーチ(68)の指導の下、北海道の小柄な選手でも、運動能力のある道外の選手に対応するため、取り組んできた伝統スタイルだ。その結果、全国初出場となった72年の高校総体から39年間で積み上げた全国勝利数は98勝。メモリアルの全国100勝にあと2勝に迫る。長岡主将は「良い内容の試合をするだけ。そうすれば結果は付いてくる」と自信を持つ。

 今季は、長岡主将が現役高校生としてただ1人、日本代表に選出。春から代表合宿に招集されチーム作りは難航したが、今回はしっかりとチーム練習もでき、コンビネーションを深めた。ほかの選手も長岡に頼りすぎず、自分でプレーする意識も向上。全体のレベルアップにもつながった。長岡主将は「悔いを残さないように戦いたい」と全員の思いを代弁した。開校100周年を迎えた札幌山の手の新たな戦いが幕を開ける。【石井克】