マスターズ優勝が見えた! 男子テニスの錦織圭(25=日清食品)が2日発表の最新世界ランキングで、自己最高の4位に躍進した。73年に始まった現行のコンピューター世界ランキングで、95年11月にクルム伊達公子が記録した日本最高位に並んだ。錦織は、6日から始まる国別対抗戦デ杯カナダ戦に日本代表として出場予定。続いて、12日開幕の米インディアンウエルズの大会で、マスターズ大会で自身初の優勝に挑む。

 錦織は、年頭に、今年の目標をマスターズ大会制覇に置いた。4大大会優勝は悲願だが、それよりもマスターズ大会優勝は、現実的な目標である。「3月は大きな大会が続く。そこでいい結果を残したい」。マスターズ大会優勝の先に、4大大会優勝も見えてくる。

 世界ランクは4位になった。数字では、ジョコビッチ、フェデラー、ナダル、マリーのビッグ4の一角を崩した。しかし、ビッグ4全員で、4大大会、マスターズ大会で合計115回の優勝がある。それが、錦織が「あまり(世界ランクは)上がりたくない」という理由だ。

 4大大会、マスターズ大会も準優勝が最高だ。まだ、ビッグ4を上回る成績を収めている実感が伴わない。そのためにも、今年は、4大大会の前に、マスターズ大会に優勝して、世界ランクに見合った実力を実感したい。それには、世界4位は絶好の位置だ。

 大会のシードは、基本的に世界ランクで決まる。4位は第4シードとなり、準決勝で世界1位か2位と対戦する組み合わせになる。そこまではランク下との対戦で、気は抜けないが、早い回戦で上位選手と対戦するよりは楽だ。

 その第4シードで迎えるのが、12日開幕の今季初のマスターズ大会だ。高地で球が飛び、弾む傾向があるが、錦織にとっては得意のハードコート。昨年は3回戦敗退だけに、今年上位に進出すれば、世界3位躍進もあり得る。自身初のマスターズ大会優勝で、世界ランクを自ら証明する。

 ◆ツアー大会のレベル 男子の世界ツアーは、4大大会を頂点に、シリーズ1000大会(通称マスターズ)、同500大会、同250大会の4段階に分かれる。数字は、優勝して獲得できる世界ランクの得点で、4大大会の優勝は2000点。15年は、1000大会が9大会、500大会が13大会、250大会が39大会、合計65大会が開催予定だ。錦織のツアー通算8勝は、500大会が4回、250大会が4回。マスターズ、4大大会ともに各1回の準優勝が最高成績だ。