「空手界のきゃりーぱみゅぱみゅ」こと植草歩(24=高栄警備保障)擁する千葉が、2年ぶり2度目の団体組手優勝を果たした。10月の世界選手権で個人組手68キロ超級金メダルを獲得した20年東京五輪のヒロイン候補の植草は、準決勝までポイントを失わず4戦4勝で優勝に貢献した。

 連覇を狙う京都との決勝。1番手が0-0で引き分け、2番手の世界女王・植草は、リードが欲しかった場面で0-0で引き分けてしまった。相手に流れを奪われそうな窮地。植草は交代時に、3番手多田野の肩をつかんだ。「引き分けでもいいよ。代表戦で絶対勝ってくるから」。この言葉で重圧から解き放った。その多田野が2-0で勝利し、優勝を決めた。「仲間に助けられた」と喜んだ。

 普段は社長秘書で、キュートな笑顔とは裏腹に、準決勝までは相手にポイントすら与えず4戦4勝。強さを支えるのは「中段突き」だ。中学まで大の苦手だったが、柏日体高時代に「高校では中段突きができないと上にいけない」と教え込まれた。全体練習後も、自主的に空き時間を使い、必ず100本の空突きを繰り返した。いつしか短所は持ち味となった。

 空手は東京五輪での追加種目に決定。団体こそないが、男女の個人組手3階級と形が実施される。「金メダルは当たり前。過程を積み重ねていきたい」と力強い。得意の中段突きに加えて、足技など技のバリエーションを磨いていく。このまま東京五輪のヒロインへの道を駆け上がる。【上田悠太】