また逆転の西岡だ! 世界58位の西岡良仁(21=ミキハウス)が、同79位のトンプソン(オーストラリア)に1-6、6-4、6-3の2時間13分で勝ち、今季マスターズ2大会連続で初戦を突破した。

 西岡は完全に死に体だった。集中力が途切れる悪い癖が出て、第1セットは1ゲームしか奪えず。第2セットも先にサービスゲームを落とし、流れは完全に相手にあった。しかし、そこから開き直り、ネットプレーなどを交えて逆転に成功し、勝利の瞬間、思わず両手を突き上げた。

 今大会前のメキシコオープン、BNPパリバオープンから、最後まで集中力を維持している。予選を含む計11試合を戦い抜き、BNPパリバオープン3回戦では、元トップ10のベルディハを1-6、1-5から大逆転した。世界ランクも今週、自己最高の58位まで浮上。錦織に次ぐNO・2につけている。

 170センチとトップ100で最も小柄な西岡は多彩なショット、俊敏さ、粘りなどで相手をかき回す。小柄だからこそ、集中力を欠くと単発になり、ミスも生まれる。ジュニア時代はこの癖で何度も涙を流した。その悔しさがこの日の勝利を呼び込んだ。