<テニス:全豪オープン>◇8日目◇23日◇オーストラリア、メルボルン・ナショナルテニスセンター◇男子シングルス4回戦

 日本テニス界に、歴史的快挙が達成された。日本のエースで、世界26位の錦織圭(22=フリー)が、同6位で08年準優勝のジョーウィルフリード・ツォンガ(26=フランス)に2-6、6-2、6-1、3-6、6-3の3時間半の死闘で勝ち、4大大会自身初のベスト8進出を決めた。

 錦織は、最後にバックのクロスを決めると、ネット際で両手を広げ天を仰いだ。「まだ実感が湧かないが、ホッとした。本当にうれしい」。日本男子としては32年佐藤次郎、布井良助以来80年ぶりの全豪8強入り。全豪1大会4勝は史上初の快挙となった。32年当時は出場選手が32人。佐藤は3勝で4強入りしていた。

 錦織は第1セットを落としたが、第2セットから得意のストロークでツォンガを振り回し、主導権を握った。最速時速224キロのサーブを放ったツォンガに対し、カウンターのようなリターンとストロークで応酬。「気持ちを切り替えた」と、第2、3セットを簡単に奪い、第4セットは失ったが、最終セットは逃げ切った。

 この勝利で、30日に発表予定の最新世界ランクではトップ20が確実。準々決勝のマリー戦に勝てば、トップ10も見えてくる。「まだまだ終わりじゃない。次に集中したい」。その言葉が、頼もしくもあった。