カーリングでソチ五輪5位の北海道銀行に、10年バンクーバー五輪代表でビジュアル系の近江谷杏菜(24=チーム青森)の加入が濃厚であることが24日、分かった。苫米地美智子(34)が、今シーズンでチームを離脱することから数人の選手を選定してきたが、札幌国際大の吉村紗也香(22)と2人に絞り込んだ。

 北海道銀行が18年平昌五輪に向け、新布陣で挑む。チーム青森のサードとして10年五輪に出場し、半袖でストーンを投げる姿で人気を集めた近江谷の加入が、リストアップしていた札幌国際大の吉村とともに濃厚になった。関係者が明かしたもので、すでに話し合いもほぼ終わり、近日中には発表される見込みだ。

 チームは2月のソチ五輪で日本史上最高タイの5位に入ったが、フィジカルに勝る外国勢に押されるなどメダル争いに加われなかった。主にリードを務めた苫米地の離脱もあり、4年後のメダル実現のためにもさらなる選手補強の必要性を感じていた。

 そこで浮上したのが近江谷だった。父の好幸さん(55)は、98年長野五輪代表というサラブレッド。165センチの長身でフィジカルの強さには定評がある。3月で青森市役所を退職し、チーム青森も脱退することから声がかかった。

 吉村も162センチ。小野寺佳歩(22)も164センチあり、小笠原歩、船山弓枝(ともに35)の技術に外国勢に負けないパワーが加わる。新加入の2人は、ルックスの良さでも注目されるまさにビジュアル系。技術だけでなく、美貌でも他チームをリードしていく。

 チーム内でのサバイバルも始まる。2人の加入で選手は現在6人。1人がチームを離れる可能性があるが、いずれにしろポジション争いは激しくなり、レベル向上が図られる。また、選手のケガや結婚、出産でチームを一時、離れたとしても、層の厚さでそれをカバーできる強みもできる。

 来季の初戦となる9月のパシフィック・アジア選手権(11月、長野)の日本代表選考会(長野)までにチームの輪郭を作り上げていく。新生「道銀」が“ビジュアル補強”で4年後に向け進化を続ける。

 ◆近江谷杏菜(おおみや・あんな)1989年(平元)10月12日、北海道・北見市(旧常呂町)生まれ。北海道・常呂小4年で競技を始める。本橋麻里らと組んだマリリンズで02年日本ジュニア選手権優勝、世界ジュニア選手権10位。北海道・網走南ケ丘高では、スキップを務めるgrace(グレース)で06、07年の全国高校選手権を2連覇。08年にチーム青森に加入。06年2月に公開された映画「シムソンズ」(主演加藤ローサ)にも出演した。165センチ。

 ◆吉村紗也香(よしむら・さやか)1992年(平4)1月30日、北海道・北見市(旧常呂町)生まれ。北海道・常呂小4だった02年に友人同士でチーム「ウインズ」を結成し、競技を始める。北海道・常呂高から10年4月に札幌国際大に進学。常呂高時代の09年に、全国高校選手権を初制覇し。同2月の日本選手権で2位に入った。162センチ。