<柔道:全日本女子選手権>◇20日◇横浜文化体育館◇無差別

 78キロ超級の山部佳苗(23=ミキハウス)が初の世界切符をつかんだ。決勝で田知本愛(25)に一本勝ちして2年ぶり2度目の優勝。選抜体重別選手権に続く連勝で、世界選手権(8月、ロシア・チェリャビンスク)代表に選出された。大会後の強化委員会で、78キロ超級の田知本、57キロ級の松本薫(26)も同代表に選ばれた。

 山部は一瞬のタイミングを逃さなかった。攻めあぐねて内股をかけてきた田知本の足を外すと、「体が勝手に動いた」と内股すかし(公式記録は払い腰)で鮮やかに一本勝ち。父徳一さん伝承の得意技で準決勝に続き勝利を奪い、「優勝しないと代表はないと思っていた。うれしい」とオール一本勝ちで頂点に立った。前回の優勝は2年前。以降は成績が出ず、深く悩んできた。体重が10キロも落ちる中、昨年5月から所属先の新谷コーチと2人で拠点を大阪から東京に移し、食事面も見てもらった。不振を抜けようやく見えた世界の舞台。「最近明るくなったと言われます」と話す23歳の未来も明るい。