尿検査で大麻に陽性反応を示し、日本相撲協会を解雇されたロシア出身の元力士、露鵬と白露山の代理人を務める塩谷安男弁護士は13日、同協会の再発防止検討委員会に検査の手続きなどについて質問状を送り、簡易検査で当初、陽性を示しながら最終的には「陰性」とされた日本人力士がいたことを指摘、その判断に疑問を呈した。

 質問状では、2日の簡易検査でこの力士に陽性が出ながら、3度目で陰性を示したために「陰性」と判定されたと、検査に立ち会った日本アンチ・ドーピング機構の大西祥平専門委員が認めたとしている。その上でなぜ露鵬、白露山と同様に精密検査を実施しなかったのかと指摘した。

 この点について、大西委員は3日に「陰性と判断できたので」と説明。また質問状では大西委員が、簡易検査での力士に関する資料(検体)を、2人を除いて破棄したと説明しているとし、その理由もただしている。

 塩谷弁護士が質問状を出すのは2度目で、回答期限は18日までとした。同弁護士は回答に納得できない場合、解雇の撤回を求めて訴訟を起こす考えを示唆している。

 再発防止検討委員会の友綱副委員長(元関脇魁輝)は「専門的な質問もあるので大西先生と相談する」と話した。