日本相撲協会は31日、九州場所(11月11日初日・福岡国際センター)の新弟子検査の申し込みを締め切り、応募者はわずか1人だった。ことし通算の新弟子数は先場所までで55人にとどまっており、年6場所制が定着した1958年以降最少だった昨年の60人を下回ることが決まった。

 年間で最も入門希望者数が多く「就職場所」と呼ばれる春場所の新弟子もことしは34人だけで、義務教育修了が受検資格に定着した1973年以降で最も少なかった。

 日本相撲協会はことし夏場所から新弟子検査の体格基準を緩和。体の小さな希望者に対する運動能力テストを廃止して門戸を開放したが、現時点では打開策とはなっていない。

 相撲界は2007年の力士暴行死事件以降、大麻問題や野球賭博問題、昨年の八百長問題など不祥事が続き、新弟子は減少傾向にあった。

 応募したのは、玉ノ井部屋の佐藤史靖さん(17)。新弟子検査は11月1日に行われ、九州場所初日に合格発表がある。

 九州場所に限ってみれば、応募者1人は99年の2人を下回って過去最少。07年名古屋場所ではゼロだった。

 新横綱の日馬富士関は「相撲は厳しいスポーツ。便利な時代に痛い思いをしてやる必要はないという人がいるのも分かる。でも苦しいからこそ、努力して成功をつかむことの素晴らしさもあるはずだ」と呼び掛けた。

 九州場所担当の楯山部長(元関脇玉ノ富士)は「将来のためにはもっと多くの力士が入り、競い合ってほしい。親方衆はもっと勧誘していかないと」と話した。