大相撲の立行司、第39代式守伊之助(62=友綱)が16日、東京・千代田区のホテルニューオータニで襲名祝賀会を開き、横綱白鵬(27)日馬富士(28)ら約230人が集まった。

 初土俵から立行司に昇進するまで47年。壇上のあいさつでは「3回、死に目に会った」というエピソードを披露した。

 <1>数年前の九州場所12日目のこと。「酔っぱらって、オートバイに跳ね飛ばされ、血だらけになった。救急隊に『よく生きてるな』と言われました」。

 <2>08年に食道がんが見つかり、九州場所を全休。翌場所には復帰した。「もう手術しないと治りませんと言われた。今まで飲んだり食ったりしていたバチが当たったと思いました」。

 <3>今年初場所、把瑠都に送り出された若荒雄にぶつかり、土俵下へ転落。「10分くらいの記憶がありません。あれは、演技でも何でもありません。これはNHKも相撲協会も慌てたそうです」。

 今年の九州場所9日目は、審判のミスにより日馬富士-豪栄道戦が「やり直し」になる場面も裁いていた。祝いの席だが「ハプニングだらけで申し訳ありません」と謝罪し、来場客を笑わせた。