勝ち名乗りを受けた力士が、敗れるという珍事が起きた。若の里-琴奨菊戦は行司、審判とも琴奨菊が寄り切ったと判断し、琴奨菊が勝ち名乗りを受けた。しかし、琴奨菊が懸賞金を取ろうとする寸前に、高砂審判長(元大関朝潮)が手を挙げて物言いとなった。

 協議の結果、突き落とした若の里の足が出るより先に琴奨菊の手が着き、行司軍配差し違えとなった。同審判長によると、土俵下の審判は当初、琴奨菊の寄りを有利とする行司の軍配通りと判断したが、ビデオ室から物言いをつけた方がいいと連絡が入ったという。

 若の里は「物言いがついてほしいとは思ったけど、勝つとは思いもよらなかった」と苦笑い。琴奨菊は不機嫌で、報道陣の質問に答えなかった。なお、若の里はこの取組で右足首を負傷。12日目(26日)朝の状態によっては、休場の可能性がある。