日本相撲協会の放駒理事長(63=元大関魁傑)は26日、八百長問題の根絶に取り組む再発防止委員会(仮称)の委員8人を発表した。外部3人、親方衆5人の構成。親方衆からは早くも「支度部屋に親方監視員」「取組当日発表」など画期的な具体策が飛び出した。外部委員となった元文部大臣の島村宜伸氏(76=日本プロスポーツ協会会長)は、夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)での本場所再開に強いこだわりを示した。3月9日に1回目の会合を開く。

 善は急げとばかりに、放駒理事長は休日出勤して、再発防止委員会の委員を発表した。「故意による無気力相撲を根絶し、2度と起こらないように、再発防止を徹底していきたい」と、新設の委員会に期待した。外部からは村山副理事長に加え、スポーツに詳しい2人が入った。親方衆は「無作為に、年代別に考えながら選んだ」という5人が名を連ねた。

 親方衆からは、すでに再発防止のための私案が浮上している。中村親方(元関脇富士桜)は「親方を監視員のようにして、支度部屋においたらどうか」と指摘。これまでの若者頭によるチェックよりも、厳しく目を光らせる。また「監察委員会との連携を強化した方がいい。ビデオは勝負判定のためじゃなく、チェックのためにも使ったらどうか」とも話した。

 芝田山親方(元横綱大乃国)は「取組は当日発表にすればいい」との私見を持つ。現在は前日から取組が決まるため、八百長を持ちかける時間的猶予がある。当日発表なら、抑止力がより強まる。「解明、処分、再発防止策は3点セット」と言い続けてきた放駒理事長は、全容解明に努めている特別調査委員会との合同会議についても可能性を示した。

 「子どもの時から相撲を見ている。二子山部屋や、双葉山道場に寝泊まりしたこともある」という日本プロスポーツ協会会長の島村氏は、すでに意欲をみなぎらせている。

 島村氏

 相撲部屋にもずいぶん行ったし、いい話も悪い話も全部聞いた。相撲界を命がけで立て直さないといけない。これからが大事。再発防止に向けて努力して、5月の夏場所は絶対にやる気でいます。

 難航していた委員選びが終わり、3月9日に最初の会合がもたれる。本場所再開のために不可欠な再発防止策の立案へ、いよいよ議論が本格化する。