大相撲の横綱白鵬(27=宮城野)が、松井秀喜の引退を惜しんだ。「09年のワールドシリーズMVPは印象に残っているね。イチロー選手でも出来なかったことだから」。松井とは3年前の冬に対面したことがある。「野球人としてすごく自然体だった」と印象は強く残っている。巨人から米国へ渡り、日米通算507本塁打。すべてを野球にささげ、ファンを大事にする姿に共感した。

 松井は結果を出せないからと現役を退いた。その精神は横綱にも通じる。「横綱も勝てなくなったら引退しなければならない。6年前に横綱になった時から、いつも考えていること」と自分の立場と重ね合わせた。一方で、自身の引き際については「考えたこともない。進化していかなければならないし、いい相撲を取っていきたい」。この日も部屋の若い衆と一緒に土俵の土にまみれ、汗を流した。白鵬は自分が決めた道を突き進む。【高橋悟史】