ブラジル出身の幕内魁聖(27=友綱)が、日本国籍を取得した。法務省が20日付の官報で告示した。これまでの本名「リカルド・スガノ」から、新たな日本名は「菅野リカルド」になる。朝稽古後に関係者を通じて電話で吉報を知った魁聖は「うれしかった。(連敗中で)元気がなかったけど、これを聞いて元気が出ました」と喜んだ。

 ブラジル・サンパウロ市生まれの魁聖は、日本人の祖父母を持つ日系3世で、母がイタリアとドイツのハーフ。06年に来日し、約2年前から国籍変更の準備を始めた。今年7月に手続きを完了し、認可を待っていた。もともと「日本は安全なところが一番。相撲をやめても日本に住みたいと思っている」と話していた。

 日本人になったことで、力士を引退しても年寄名跡を取得することが可能になる。これまでのような3年に1回のビザ更新の必要もなくなる。「日本人としても頑張れるし、相撲協会にも残れる。思っていたより(認可は)早かったですね」と声を弾ませた。

 この日は安美錦を寄り倒し、日本人になった記念日を勝利で飾った。