9回打ち切りで今年のプロ野球はどう変わるのか。西武の監督として日本一6回、リーグ優勝8回の名将、森祗晶氏(84=日刊スポーツ評論家)に聞いた。
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-戦い方は変わりますか?
勝率を上げていくにはできるだけ接戦に持ち込むこと。点を取れる時に取り、ゲームプランをしっかり立てられる状態にしておくことが重要になる。
-延長戦がなければ投手起用も変わってくる
一概にそうとも言えない。相手投手との兼ね合いになるだろう。リードされるにしても何点が限度か、その見極めが大事になる。もし序盤に大量失点したら、追いつくのは容易ではないので、投手をつぎこむのは得策とは言えない。
-先発とリリーフ、どちらが重要になるのか
もちろん先発が早々に崩れては苦しい。ただどのチームも完投はそう多く望めないので、継投が鍵を握ることになる。9回で試合が終わるということは、そこから逆算できるということ。7、8、9回に誰に打順が回ってくるか、そこを抑え込むには投手をどうやりくりすればよいか、常に考えておく必要がある。9回は「1人一殺」で投手3人をつぎ込んでもいい。延長戦はないのだから。
-やはり投手を多めにベンチ入りさせるべきか
セオリーではあるが、臨機応変でいい。自軍の絶対的エースが投げる時は野手を増やし、そうでなければ投手を多く入れる。先発投手の力量で柔軟に編成することも大事になってくるだろう。
-クライマックスや日本シリーズのような短期決戦をイメージすればいいのか
いや、1年を見据えた戦いがなくなるわけではない。ただ、延長戦という不確定な要素は減るわけだから、ペナントレースの計算は立てやすくなる。先を読み、相手の出方を読んで、常に準備を怠らないベンチワークが、監督には求められるだろう。(日刊スポーツ評論家)