巨人との3連戦は、すべてゲーム終盤にヤマ場がきたが、阪神がそれを2勝1分けで乗り切った。

中西 スアレスが最終回を3人で締めた内容をみると、ここ2試合打ち込まれた影響は感じられなかった。自分にも抑えの経験があるが今後も問題はないだろう。また8回に1点差にされた岩崎もボールにキレを欠くと苦しいが踏みとどまった。巨人は序盤から前日25日の高橋に完封されたイメージを引きずっているようだった。ガンケルの好投が流れを引き継ぎ、ゲームをつくったといえるだろう。投打がかみ合わない巨人との差だった。

確かに、先発ガンケルの投球は、立ち上がりからきゅうきゅうとした山口とは対照的だった。

中西 19日の巨人戦で2回7失点していたガンケルはちゃんと修正ができていた。ガンケルのボールが動く投球は、低めに集まってこそ効果がある。6回に松原にソロ本塁打を打たれたのは高めにいった球だったが、坂本、岡本和らの主力を低めの球で打ちとることができた。中6日で修正ができたガンケルと、中4日ですべてが不調の山口との違いだ。両軍の戦いからも阪神のほうは投打のメンバーが固定され、戦い方のパターンも決まっている強みを感じた。

この3連戦で3試合とも先取点をとった阪神。不安定な巨人投手陣から5回までに、わずか3安打で4得点を奪えたのだから、まさにありがとうだ。

中西 巨人は優勝争いから後退で、これで阪神とヤクルトの一騎打ちになってきた。阪神はサンズ、佐藤輝の状態が上がってくれば得点力も上昇する。阪神の先発陣がいかにヤクルトの打力を封じるかにかかっている。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 3回表阪神2死、山口は大山に左中間越えに本塁打を被弾(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 3回表阪神2死、山口は大山に左中間越えに本塁打を被弾(撮影・加藤哉)