阪神が6点ビハインドをひっくり返し、最後はサヨナラ勝ちの劇的な展開に持ち込んだ。中日は土壇場での拙守が響いた。
山田 後で阪神の勝因を振り返ったとき「あの1勝が大きかった」というゲームになる可能性を感じた結末だった。年間に何試合もやれるような戦いではないし、敗色濃厚だった一戦をよく追いつき、ひっくり返した。阪神からは全体的に粘り強さが伝わってきた。中日はそこそこ打ったが、らしくないディフェンスを露呈した。
“潮目”が変わったのは2点差があった6回だ。涌井から代わった砂田が先頭木浪にストレートの四球を与えて交代。勝野も2四球を許した揚げ句、大山に同点2点打を浴びた。
山田 中日とすれば、左打者が続くこともあって砂田の投入だったのだろう。だが勝っている展開だからこそ、(投手の)左右にかかわらず、勝てるリリーフで封じることが必要だった。勝野が四球を続けたのも、ブルペンでの急ごしらえが感じ取れた。阪神はそのスキを突くことができた。中日も投手がそろっているが、阪神の場合は(打者の)左右に関係なくつぎ込める中継ぎがいるという点だ。ただK・ケラーの状態をみていると、抑えでの不安は残した。
同点に追いついた6回は四球絡みだった。1点を追う最終回も同点後、梅野が四球を選んだことで満塁の場面ができた。阪神の96四球はリーグトップだ。
山田 相手投手の乱れもあるが、阪神からは四球で次につないでいくといった雰囲気がある。なかなかヒット、ヒット、ヒットとうまくは続かない。投手へのプレッシャーにもなるし、実際、四球後の次打者にはどうしてもストライクを欲しがるから、甘く入っていきがちになる。まさに粘り勝ちだった。【取材・構成=寺尾博和編集委員】




