首位の巨人に3連敗した広島は、今試合まで3位だった阪神にも敗れ、5連敗になった。広島の強さといえば投手力を中心にした鉄壁の守備力だったが、追い詰められた焦りなのか、守備に“ほころび”が生じている。ここまで広島を支えてきた強みが弱みに変わり、痛い敗戦を喫した。

不吉な兆候が出たのは、1点をリードした2回だった。1死一塁から梅野の打球はサード寄りの三遊間へ、高いバウンドのゴロになった。これを捕りにいったサードの小園のグラブをスルーし、ショートへの内野安打になった。難しいタイミングでのゴロではあったが、1度はエラーが記録(のちに内野安打に訂正)されたように、アウトにしてほしい打球だった。結果的に2死満塁となり、近本の押し出し四球で同点に追いつかれてしまった。

4回裏の守備は、痛いミスがつながった。1死一塁から木浪の打球は二塁ベースやや左側へ、やや高いゴロになった。ショートの矢野は打球を捕って二塁ベースを踏み、併殺を狙ったのだろう。しかし二塁ベースを踏もうと意識しすぎたためか、ほんの少しタイミングがずれ、グラブの先で弾いてしまった。1アウトでもあり、次打者は投手の高橋だけに、捕球を優先して確実に1アウトを狙うべきだった。

記録に残らないミスは続いた。2点を失い、なおも2死一塁となって、一塁走者の近本に盗塁を決められた。盗塁を警戒しなければいけないため、広島ベンチはカウント0-1からウエストのサインを出した。しかしマウンドの大瀬良のクイックは1秒30台。クイックが遅いだけでなく、投げた真っすぐも中腰になっている捕手の右腰付近で、送球しやすいコースではなかった。盗塁を決められ、中野のレフト前と森下のサードゴロを小園がエラーし、手痛い追加点につなげてしまった。

今試合前まで、セ・リーグの失策数が少ないトップは巨人の51失策で、広島は2位の56失策。数字上は巨人より多いが、人工芝を本拠地にする巨人との比較でいえば、広島の守備力の方が上回っているといえるだろう。小園の失策以外、記録は失策ではないが、捕ってほしいゴロであり、粘り強さが持ち味の大瀬良の不用意な投球は「広島らしくないプレー」だった。

この敗戦で3位に転落し、4位のDeNAとのゲーム差も1に縮められた。このままズルズルといかないためにも、守備面の引き締めは急務になる。(日刊スポーツ評論家)