“ミラクル・アレンパ”を狙う阪神が、巨人に1ゲーム差に詰め寄った。それも3回の1点だけで逃げ切った。
山田 菅野、才木の投げ合いは、お互いが要所を締める投手戦だったが、こういう大事なゲームは先取点が大きい。1点が、1点以上の重みになる。阪神は3回のワンチャンスをモノにし、巨人は1回無死二塁、2回無死一、二塁、4回無死一塁、6回無死満塁と、ことごとくノーアウトのチャンスをつぶした。しかも巨人の選手は「どうしてそんなに固くなっているのだろうか?」と思いながら見ていた。チャンスがまるでピンチのようだった。特に結果を出したい気持ちが強すぎるのか、あんなに固くなっている坂本は珍しい。
阪神は3回、木浪の中前打、才木の苦しい犠打で1死二塁。近本が3-2から三遊間を破ったが、巨人外野陣が前進守備を敷いていたので木浪は三塁止まり。続く中野の右前適時打で貴重な1点が入った。
山田 まだ慌てる必要がないのに、巨人の外野手が前に出たのは「このイニングでこの守備隊形をとるのか?」といった印象が強かった。もともと才木のバントは空振り失敗だったから展開は変わっていただろう。でもあの前進守備に巨人の焦りを感じたし、巨人の選手にプレッシャーがかかったようだった。巨人は追いかけられるしんどさ、逆に阪神は追いかける強み。巨人には全体的に余裕がなかった。さらにいえば前日21日の巨人は広島戦の逆転負けが尾を引いた。阪神はDeNAに延長戦の末に競り勝ったから、気分的なものも影響しただろう。
巨人の拙攻は、才木の好投でもあった。
山田 才木はピンチの連続だったが、ここというときに坂本、長野ら打者の近めに強い球を投げることができた。巨人にとってはまさかの連敗だろう。阪神は「いけるぞ」となった。まだ数字上は巨人だが、雰囲気では阪神が上。23日が大一番になる。
【取材・構成=寺尾博和】




