楽天元監督の平石洋介氏(44)が評論家デビューした。3、4日に沖縄・金武の楽天キャンプを取材。昨秋ドラフトで5球団が競合した1位ルーキー宗山塁内野手(21=明大)の守備と打撃の現在地を分析した。
◇ ◇ ◇
2日間、見ただけで新戦力を評論できないのは承知の上で、正直なところを書きたい。
まず守備。打球への入り方にセンスを感じた。どうバウンドするか、イメージできている。判断は人それぞれ。1バウンド目で判断する人もいれば、2バウンド目の人もいる。宗山がどうかは分からないが、土のグラウンドでイレギュラーもある中、スッと捕球できていた。感性がいい。
肩も強い印象だ。おそらく関節が柔らかいのだろう。腕をしならせ、強いボールを投げられる。実は明大時代の映像を見て唯一、不安を覚えたのが送球だった。上下にぶれがあった。今回、見た限りでは、乱れたのは1、2球だけだった。
次に打撃。ティーバッティングは振りに力強さがあった。スイングスピードもある。ただ、その後のフリー打撃は良くなかった。投手側の右足を上げて打つタイプだが、左足に体重が乗り切ってしまっていた。そのため打ちにいくタイミングが遅れ、差し込まれる打席が見られた。
正直に指摘させてもらったが、第1クール後半。疲労もたまっているだろう。プロで何年もやっている選手でも、ユニホームを着て動き始めると、それまでにない疲れを覚えるもの。ルーキーで、慣れない環境に気疲れもあるはず。タイミングの遅れは、そういう疲れからきている可能性は十分あるし、本人も「あまり良くないです」と話していた。あるいは本人なりに考え、試していることがあるのかもしれない。
ドラフト前「20年に1人の逸材」と呼ばれたが、むしろ「伸びしろ」が宗山の魅力と感じた。冒頭に書いたように、2日だけで評論はできない。だからこそ、長い目で見てみたい。そう思わせてくれた。ショートの守備も、一緒に守る村林と比べるのは酷。向こうは9年かけてプロのトップレベルになったからだ。ただ、逆に言えば、宗山はこれから伸びる。送球は、捕ってから体勢を立て直すコツをつかめばさらに安定するし、打撃ももっと良くなっていくだろう。見た目に華があり、礼儀も正しい。明大時代からリーダーシップもある。楽天の次代を引っ張る選手になれると感じた。(日刊スポーツ評論家)
◆平石洋介(ひらいし・ようすけ)1980年(昭55)4月23日、大分県生まれ。PL学園-同大-トヨタ自動車を経て04年ドラフト7巡目で創設1年目の楽天入り。11年に引退するまで通算122試合、1本塁打、10打点、打率2割1分5厘。12年から楽天でコーチ、2軍監督を歴任し、18年途中から1軍監督代行。19年は球団生え抜き初の1軍監督を務めた。19年限りで楽天を退団し、20、21年はソフトバンク、22~24年は西武でコーチ。175センチ、75キロ。左投げ左打ち。




