昨年Bクラスだった広島と中日。両チームの浮沈の鍵を握るのは、新外国人だと思っている。前日に特大ホームランを打った中日ジェイソン・ボスラー外野手(31=マリナーズ)が、初回からタイムリーを打った。おそらくインサイドの球を好むんだろうなという待ち方をしていた。自分が打てるツボを知っているんだろう。低めの変化球をファウルにする対応力を見せ、最後は内に入ってきた直球を詰まりながら右前へ運んだ。

シーズンが始まれば、外角の出し入れでボール球を使って誘ってくるだろう。そこを見極められれば、ある程度打ちそうな気配がある。この試合では4番だったが、井上監督が打線のどこに入れるのか。細川、中田、石川昂とともに機能すれば、迫力のある重量打線が見えてくる。そうすればチームとしても期待が持てる。

広島のサンドロ・ファビアン外野手(26=レンジャーズ)はスイングが柔らかく、球を長く見られるタイミングの取り方をしていた。新井監督も、試合前に聞いたら大きな期待を寄せていただけあるなと思った。ファビアンがアベレージを残しそうなタイプなのに対して、エレフリス・モンテロ内野手(26=ロッキーズ)ははまると長打力がある。1打席目の2球続けた内角の後、もう1球内寄りにきた球を仕留め本塁打にした。追い風に乗った打球ではあったが、しっかりと仕留めて結果が出たことは大きい。

この時期、バッテリーというのは新外国人に対して、データを取りに行く。打てるところに攻めて、打たせてみる。中日大野がモンテロに3球内角を続けたのもきっとそういう狙いだろう。だからシーズンが始まらないと分からないが、この助っ人3人が両チームの鍵を握るのは間違いない。そういう意味では、癖もなく計算はできそうな3人だった。

特に広島にとって、昨年9月に大失速した要因は得点力不足に尽きる。頑張って頑張って取った1点を守り切ろうとしても、投手陣へのプレッシャーは強くなり、それが1カ月、2カ月と続くと、我慢ができなくなる。私が中日のときも、タイロン・ウッズやブランコといった軸がいた。競った展開の中で1発が打てる選手の存在は代えがたいものだ。

広島は先発投手が充実しており、中日も全体的に投手力が高い。この3人が結果を残せば点が入る。得点力が上がれば、いい戦いができる。セ・リーグの勢力図も一気に変わってくる。(日刊スポーツ評論家)

4回表広島1死、ファビアンは左二塁打を放つ(撮影・加藤孝規)
4回表広島1死、ファビアンは左二塁打を放つ(撮影・加藤孝規)
2回表広島1死一塁、モンテロは逆転の左中間越え2点本塁打を放つ(撮影・加藤孝規)
2回表広島1死一塁、モンテロは逆転の左中間越え2点本塁打を放つ(撮影・加藤孝規)