阪神が本拠地甲子園で接戦を制し、7連敗後の2連勝で3カードぶりの勝ち越しを決めた。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)は4回裏の先制劇に注目。小幡竜平内野手(24)の走塁判断を「隠れたファインプレー」と表現した。【聞き手=佐井陽介】

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勝負の分かれ目は阪神の走塁力にありました。両チーム無得点で迎えた4回無死一塁。7番坂本選手の中前への飛球に対して、一塁走者・小幡選手の判断は見事でした。ランエンドヒットでスタートを切りながら、二塁ベース手前で減速して丁寧に打球の行方を判断。ノーバウンド捕球に向けて帰塁の準備も整えつつ、ショートバウンドキャッチを確信した瞬間に再びGOです。結果、間一髪のタイミングで二塁フォースアウトをまぬがれて好機を拡大。隠れたファインプレーと表現できる走塁判断でした。「暴走」せずに「好走」できたのは準備のたまものに違いありません。

さらに1死一、二塁からの走塁にも阪神側の冷静さを感じ取りました。9番デュプランティエ投手の投手正面へのバントをロッテ種市投手が三塁へ悪送球。二塁走者だった小幡選手はレフトに抜けていく送球を目視できただけに、いったんホームにスタートを切りかけました。ここで三塁ベースコーチャーの田中内野守備走塁コーチが自重を指示。ホームを狙っていればタッチアウトになる可能性もあっただけに、この判断も効果的でした。チームは直後、1死満塁から1番近本選手の犠飛で先制点を奪取。走塁力が接戦での勝利を呼び込んだと表現しても大げさではないはずです。

先発のデュプランティエ投手は12奪三振4安打1死球で来日初の完投&完封勝利。この素晴らしい投球の裏には捕手・坂本選手のサポートが存在しました。このコンビは基本的に速いテンポでゲームメークしていく試合が多いのですが、この日は坂本選手が巧みに「間」も取っていた印象です。デュプランティエ投手の気持ちがはやりそうなタイミングで、あえて捕手からの返球に時間をかけて落ち着かせる場面にはうならされました。きっとデュプランティエ投手も坂本選手に感謝していることでしょう。(日刊スポーツ評論家)