宮崎はあいにくの雨となった。球春到来と言っても、キャンプ初日から雨天練習場でのスタート。連覇を狙う工藤ホークスはA組、B組の時差練習となってしまった。アイビースタジアムのセンターポールにひるがえるはずの真っ赤な日本一のチャンピオンフラッグも、まだ球場内で静かに出番を待っている。
雨雲に覆われたキャンプ地だが、出発の朝は晴れやかな気持ちでユニホームに袖を通した男がいる。今季から3軍打撃コーチとなった吉本亮コーチだ。「やっぱりユニホームは身が引き締まりますね。ヤクルトで現役をやめて7年、それ以来ですからね。新たな気持ちというか。やっぱりいいですね。若い選手たちを育てないと。また身が引き締まります」。98年ドラフト1位でホークス入団。08年に戦力外となり、トライアウトでヤクルト入りした。ホークスのユニホームは10年ぶりとなる。コーチとなって背負う番号は「70」。吉本コーチは「松坂世代」の80年会初代会長。その後は松坂が引き継いだ。
「球界の元日」は友の動向も気になった。中日入りし、再起にかける「怪物」の復活を心から願っている。昨年まで球団職員と選手として3年間過ごした。退団が決まり米国で練習に励む松坂からスマホに動画が送られてきた。投球映像だった。松坂も復活へ手応えを感じ取ったのだろう。沖縄入りした松坂とはSNSで健闘を誓い合った。
新コーチと現役投手…。新たなスタートを切った2人に、また球春は訪れた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】




