<日本生命セ・パ交流戦:中日3-0ソフトバンク>◇9日◇ナゴヤドーム

 得意なはずの交流戦で、工藤ホークスがもがき始めた。開幕からは今季2度目の4連敗。東京~名古屋の遠征は、どっぷり「梅雨前線」に覆われてしまった。首位西武の追撃どころか、この日、オリックスが勝っていれば4位転落。ともに黒星を喫し、Bクラス転落こそ免れたが、今日10日もゲーム差0・5は変わらず。梅雨の雨に打たれ、背中が寒くなってきた。

 問題は故障者の続出にある。プレー中のケガは長いシーズンあり得ることだが、それにしても今季のホークス故障者の多さは異常だ。サファテ、岩崎の手術で「勝利の方程式」が崩壊しただけでも苦しい戦いを強いられるのだが、内川、和田、五十嵐、東浜、グラシアル…。前夜(8日)の千賀も復調できないままだし、1軍メンバーでも今宮が右ひじ痛を抱え、さらにこの日は柳田の右足故障も発覚した。

 監督就任からケガ防止とコンディショニングの大切さを口酸っぱく唱えてきた工藤監督も、これでは手の打ちようがない。すぐには解決できない問題だが、球団フロントを含め、しっかりと検証していかなければならない。直接的な原因とまではいかないまでも、どこかに「遠因」は隠れているはずだ。

 戦いは続く。4番に座る柳田が心配だ。右足の故障で打撃フォームまで崩しているようにも見える。故障自体も怖いのだが、それよりも故障を抱え、不調が続くことが最もチームに響く。チーム本体の「コンディション」を良化させるには、思い切った決断も必要ではないだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】