実りの秋。待ち望んでいた1軍の舞台にこの男が帰ってきた。キュートなルックスから“谷口きゅん”という愛称で人気を集める日本ハム谷口雄也外野手(26)だ。

9月28日、敵地仙台での楽天戦で約1年8カ月ぶりに1軍に合流。翌29日に出場選手登録され、復帰後初安打とはならなかったが、昇格後即代打出場を果たした。「ドキドキしましたね。緊張しました。これから1日1日出来ることをやっていきたい。元気な姿で谷口やっているよという姿を(ファンに見せたい)」と笑顔を見せた。

プロ7年目で迎えた昨年の春季キャンプ。右膝前十字靱帯(じんたい)を損傷するアクシデントで長期の離脱を余儀なくされた。再建の手術に踏み切り、17年シーズンはリハビリに専念し、1軍出場はゼロに終わった。プロ野球選手でありながら、ユニホームを着てグラウンドに立てないことにもどかしさを感じた。心が折れそうなこともあった。それでもグラウンドに戻ることを信じて続けてきた。今季開幕からイースタン・リーグで67試合に出場し、打率2割9分8厘、3本塁打を放つなど、決死のアピールで1軍の舞台にたどり着いた。

8月中旬、猛暑が続く2軍施設の千葉・鎌ケ谷で谷口がこう話していた。「(今)野球をやれる喜びと楽しさがあります。今シーズン1試合でもいいので(1軍の試合に)出たいですね。最後は歓喜の輪の中にいたい」。チームは2年ぶりの優勝とはならなかったが、昇格後、代打で6打席(5日現在)に立った。無安打だが、元気な姿を見せることは出来た。「少ない打席の中で、自分の状態をアピールしないといけない。どんな形であれ1本(安打を)出せるように。それが精神安定剤なので」。スコアボードに「H」ランプをともす瞬間をファンは待っている。【日本ハム担当 山崎純一】

日本ハム谷口雄也
日本ハム谷口雄也