<ソフトバンク2-0日本ハム>◇11日◇ヤフオクドーム

眼下の敵・日本ハムに連勝を飾ったソフトバンクが有終のゴールへ向け「勝利の方程式」の再構築を図った。先発ミランダが5回を何とか無失点に抑えると、6回からは新人甲斐野を投入。7回は方程式に“新加入”となる高橋純を送り込んで、モイネロ-守護神森と勝利のタスキを渡した。3者連続三振に切った8回のモイネロ以外は走者を出したものの、きっちり0封リレー。攻撃面では5回に「足攻」で2点をもぎ取り、文字通り「鉄壁」の投手リレーで完勝した。

今季、抑えも経験した甲斐野を前に回し、4年目の高橋純を「7回の男」に指名。1学年後輩の高橋純につないだ甲斐野は「(純平は)すごい刺激になっている。6回の登板は気持ちは楽じゃなかったけど、何とか0点に抑えられてよかった」と話した。新方程式は若手の競争心もさらにあおる効果もある。戦いながら競争意識を植えつけるのは「必勝」に大事な要素でもある。

試合後の工藤監督はしてやったりの表情だった。「ピッチャーが点を取られないと勝ちますね」。開口一番、笑顔で言った。「7回は高橋純でいってみようと思った。いい球を投げていると思う」。ペナントレースも終盤。ブルペン陣に疲れが見える他球団とは対照的に「先行逃げ切り」の本来の戦闘スタイルを確立できれば、V確率も跳ね上がるだろう。これで日本ハムとのゲーム差は5・5となった。

開幕から故障禍に泣いた工藤ホークスが、厳しい夏にようやく「快走」を始めそうだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】