ヤクルトのドラフト4位ルーキーが鮮烈なデビューを飾った。元山飛優内野手(22)が、開幕2戦目の27日阪神戦(神宮)でプロ初出場。5回の第2打席では一塁前へのボテボテのゴロが内野安打に。9回無死一塁では、138キロの直球を右翼ポール際へ運ぶ1号アーチを放った。「プロ野球選手が(ダイヤモンドを)回っているのをよく見ていたので、不思議な感覚。ベースをちゃんと踏むようにしました」とかみしめていた。

突然のデビューだった。この試合はベンチスタートだったが、先発田口が3回1死で降板したタイミングで遊撃の守備についた。ベンチ裏では素振りやバイクで汗をかき、準備はバッチリで「何か残せるように」と勢いよくグラウンドへ飛び出した。

直後の第1打席。独特の雰囲気が球場をつつんだ。元山の名前がコールされると、登場曲として流れたのは中島みゆきの「地上の星」。笑顔で「FNS歌謡祭を見ていたときに工藤静香さんが歌っていて、これええな」と明かした。サビの部分が「つばめよ」から始まることもあり、スワローズらしい選曲となった。

オープン戦では12試合に出場し、2安打のみで打率は0割9分1厘。開幕から、ユニホームのズボンの裾を上げるオールドスタイルに変え、気持ちも切り替えた。「自分を閉じ込めている気がしたので、解放しようと」。功を奏し、最高のスタートになった。チャンスをものにし続け、遊撃手のレギュラー奪取を目指す。【ヤクルト担当=湯本勝大】