<楽天8-1ソフトバンク>◇23日◇楽天生命パーク

杜(もり)の都にそぼ降る氷雨に打たれながら、ソフトバンクは「敗者」となった。わずかに残った日本一5連覇の道も閉ざされ、チームは8年ぶりとなるBクラスが決定した。

全勝を誓った残り3試合。3位楽天との初戦で完敗した。サドンデスの一戦は、低迷した今季を象徴するような試合でもあった。先発東浜が2回、連続四球から先制を許した。味方のエラーもあったが、工藤監督が投手陣に口酸っぱく言い続けてきた「四球は何も生まない」の教訓は生かされなかった。

楽天対ソフトバンク 2回裏、適時打を浴びた東浜(手前)(撮影・滝沢徹郎)
楽天対ソフトバンク 2回裏、適時打を浴びた東浜(手前)(撮影・滝沢徹郎)

その後、大関、松本も四死球をきっかけに失点。得点はデスパイネのソロの1点のみ。計8安打を放ったものの、打線はつながらなかった。

「監督の力不足」。試合後、工藤監督はそう言って唇を結んだ。7年の監督生活の総決算は下位転落という形で終わる。正直に胸の内を明かせば「勝って」タクトを置きたかったことだろう。「常勝」というのは本当に難しい。

楽天対ソフトバンク ベンチでうつむくソフトバンク工藤監督(撮影・滝沢徹郎)
楽天対ソフトバンク ベンチでうつむくソフトバンク工藤監督(撮影・滝沢徹郎)

「王者」と呼ばれながら、一転してチームは「大変革期」に入る。野手陣の世代交代、投手陣の再整備、若手の育成に関してもこれまでよりも鈍化しているように感じられるだけに、ファーム再強化も必要だろう。課題は山積みだ。だからこそ来季はファーム指導の経験が長い藤本2軍監督を昇格させ、根幹からの立て直しを目指すのだろう。厳しいオフが始まることは、確かだ。

チームの現状を見る限り、Bクラスの現実よりも「再建」の道のりははるかに険しく思えてならない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】