早いものでもう1カ月間のキャンプが終わろうとしている。今季限りの監督退任を公表してキャンプに臨んだ阪神矢野監督にとっても特別な2月だったに違いない。この期間中に開催された冬季北京五輪について印象に残ったシーンを聞いたことがあった。

金メダルを含む4個のメダルを獲得したスピードスケートの高木美帆や注目度が高かったフィギュアスケートの話題が挙がったが、矢野監督が言及したのは金メダルを手にすることが出来なかった敗者の姿だった。

「あの時点で報われていないと思うかもしれないけど、あそこに出ること自体、やっぱりすごいこと。悔しい思いをしたのも後々は絶対にいい教訓になったと思うし、いい学びに絶対なってるはずだから」

4年に1度の五輪。「そこに思いをかけているだけに肉体も精神も相当大変なところだったと思う」と、オリンピアンの大きなプレッシャーに思いを巡らせた矢野監督。人生でも数えるほどしかないチャンス。阪神という人気球団の現場を預かる立場も似ているところがあるように感じる。3位、2位、2位と金メダルに届かなかった過去3シーズンから退路を断って臨む4年目へ。ラストチャンスで思いを結実させてほしい。【阪神担当 桝井聡】