前半戦最終戦だった7月24日の阪神戦(甲子園)、DeNAが3連敗でゲームセットを迎えた中、1人のバットマンの技術とメンタルに目が留まった。1点ビハインドの9回1死、宮崎敏郎内野手(33)は、阪神の守護神岩崎と対戦。カウント2-1から143キロの直球を右前にはじき返し、意地を示した。

代走が送られ、ベンチに戻る宮崎の姿を記者席から見ながら、ふと思った。「この9回のシーン、昨日も見たような…。それと一昨日も…」。2戦目、初戦と順番に自らのスコアブックを手でめくった。9回、宮崎の打席の箇所には3日連続でヒットを意味する赤いペンでラインが引かれていた。

初戦は5点ビハインドの無死一塁、アルカンタラの初球をはじき返し、右中間への二塁打。2戦目は2点ビハインドの2死走者なし、1ストライクから岩崎のチェンジアップを中前に運んだ。3試合連続でビハインドの9回に打席を迎えるのもレアだが、その全てで勝ちパターンの投手から安打を放った。

今季、攻撃面ではチーム打撃、1つ先の塁を狙いにいく意識を徹底する。三浦監督は前半戦総括で「戦いながら成長できているし、チーム力は上がってきています」と成長を認めた。13試合が中止し、過密日程が予想される終盤戦。キャンプから継続するテーマとともに、宮崎が体現した集中力、気持ちの強さが上位進出のカギを握りそうだ。【DeNA担当=久保賢吾】